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Acid Black Cherry「Q.E.D.」感想
これもかなり今更感があるんですけど、
Acid Black Cherryの3rdアルバムの感想です。

もうね、速攻レビューとかは俺には無理ですね。
聴いて気に入って聴き込んで少し飽きて、また聴きたくなって聴いた
ぐらいの状態でいつも書いてますので

興味あったけどスルーしてた人は購入の参考に、
自分でも聴いてて少し飽きてきた人は角度の違う見方として、
サラリと読んでいただければ嬉しいなと思います。

言うまでもなくJanne De ArcのヴォーカルYasuのソロなんですが、
まず今回のアルバムに限らず、非常にジャンヌ感が強いですよね。
コレはかなり意外でした。
ジャンヌというバンドは歌謡曲な歌メロを中心に
メタルなギター+フュージョンジャズなキーボードが自己主張しまくり、
しかも各パートの技術が高いというゴチャ混ぜ的な魅力があるのですが、
ソロにおいてバンドの特徴をそのまま感じられるのはYasuだけな気がします。
ABCもメンバーは実力派揃いで超豪華ですから
「表現したいこと」への再現度が高いのも要因かもしれません。

今回のアルバムは未解決の殺人事件の架空のストーリーをコンセプトに据え、
謎解き的な要素を絡めつつ「人が人を裁く」ことの意味を問いかけます。
公式HPやブックレットでそのあらすじやヒントを提示し、
その流れに沿った楽曲を収録した作品となっています。

コンセプトアルバムとしてはジャンヌの「Another Story」に続いての試みです。
今回もストーリーや歌詞の日本語がややアレなのはご愛嬌。
主人公の視点+物語の概況で進行するAnother Storyと違うのは、
未解決事件を様々な立場から体験するような構成となっている点です。
犯人とされ裁かれた男、殺人鬼、名誉の為に偽りの正義を執行する刑事、
真相の鍵となる「マリア」への密やかな思い、
雰囲気の違う色々な曲をうまくシチュエーションに当てはめています。

物語には既に単独で成立しているシングルの「眠り姫」「優しい嘘」も含まれますが、
これを上手く取り入れたと見るかどうかは難しいです。
俺としては強引にシングル曲用エピソードを捻じ込んだような印象で、
この部分に関してはストーリーにこじつけっぽさを感ずにいられません。
ただ、アルバムの構成としてはまったく違和感なく聴けますので、
どちらを主導で楽しむかで感じ方は違ってくるでしょう。

と、ざっと書いたような理由でポップスロックを中心に楽曲は多様性に富み、
しかもそれぞれに曲のクオリティが高く聴き応え充分な作品となっています。
謎を読み解く楽しみをあえて提示するような形も、
普段コンセプトに興味を持たない人を引き込む為の戦略かもしれません。



技術★★★★★
個性★☆☆☆☆
歌詞★★★☆☆
旋律★★★★★
印象:ベタながら飽きさせない構成と演出
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【2009/10/14 01:48】 | V系 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ネガ「GRAVE OF THE SACRIFICE」感想
ネガ初のフルアルバムです。
今までかなりの音源をリリースしてきているのに今回が初というのは
やはりアンダーコードだな、という感じですね。

個人的にはこのバンドはすごくカッコ良いと思っています。
ヴィジュアル面でも楽曲面でも、
かつて黒系と呼ばれてた雰囲気を持っている今では希少な存在です。
ベースのRAYは伝説(色々な意味で)のバンド、元Aliene Ma'riage。
あの超個性派のバンドからよくここまでキレイにまとまったものです。
ヴォーカルにかなり強いクセがあってこれは賛否分かれそうですが、
このぐらいの方が曲に負けなくて良いんじゃないでしょうか。
アリエネと比べると果てしなく普通ですし、ね。

アルバム序盤の雰囲気はまさにタイトルの通りの暗さ・重さに支配されています。
これがバンド本来のスタイルですね。
ここ最近の音源ではポップ寄りの表現も目立ってきており、
そういう曲も後半に向けて徐々に盛り上げてくれています。
「ネガ王道」からポップへの展開が上手くいっています。

ネガ王道と言えば、Dir en greyと似ている曲が多いです。
それも近年のではなくメジャーデビュー前後、まさに「黒系」だった頃のです。
ディルを追いかけるバンドは多いですが、
あの時代のディルに似ていると言われるバンドは今はあまり無いですよね。
ここらへんは、
黒夢→Laputa→Dir en greyと受け継がれてきた
「古き良き黒系」を継承していると前向きに解釈しています。
似ていると言ってもパート構成やSEの使い方に一部そう感じられるだけで、
曲自体はまったく異なるものですのでパクリとか言う訳ではないですし。

ネガはシャウト系から軽くなり過ぎない程度の疾走系、
そして雰囲気たっぷりの痛絶系バラードまで、
絶妙にバランスのとれたバンドで聴かせてくれます。
このアルバムはまさにその集大成として楽しめる作品ですよ。



技術★★★★☆
個性★★★★☆
歌詞★★★★☆
旋律★★☆☆☆
印象:王道の黒系が好きなら聴け!
【2009/10/10 03:14】 | V系 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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